SVGをPDFに変換してベクターを維持するための確認ポイント
パス、文字、外部画像、foreignObject、フィルターを確認し、SVGを用途に合ったPDFとして書き出すための実務チェックリストです。
目次
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SVGとPDFはどちらもベクターを扱えますが、SVGをPDFにすれば必ず全要素がベクターとして残るわけではありません。ブラウザー向けのSVGには、HTML、Webフォント、フィルターなどPDFにそのまま置き換えにくい表現があります。
変換時には、各要素をPDFの描画命令へ変換できるかを判断します。難しい要素がある場合、見た目を壊さないためにブラウザーで描画したページを画像としてPDFへ配置することがあります。
ベクター出力しやすいSVG
次のような構成はPDFでもベクターを維持しやすくなります。
path、rect、circle、lineなどの基本図形- 単色の塗りと通常の線
- 移動、拡大縮小、回転
- 単純なクリッピングパス
- 標準的なフォントを使った基本ラテン文字
ロゴやアイコンをすべてパス化し、複雑な効果を使っていない場合は、ベクターPDFに向いています。PDFを800%程度まで拡大しても曲線が滑らかなら、少なくともその部分は画像化されていない可能性が高いです。
画像PDFへ切り替わりやすい要素
日本語とカスタムフォント
基本的なPDFフォントだけでは日本語を表現できません。フォントを正しく埋め込めないままベクター文字として出力すると、文字化けや欠落が起こります。そのためSVG2IMGでは、日本語や独自フォントを検出した場合、ブラウザー表示を使った画像PDFを選びます。
表示は保ちやすくなりますが、文字の検索・選択・コピーはできなくなります。
フィルターと複雑な合成
ぼかし、ドロップシャドウ、カラーマトリクスなどのSVGフィルターは、PDF側に同じ仕組みがあるとは限りません。見た目を優先するなら画像化が適しています。線や図形を優先するなら、効果を単純なグラデーションや半透明図形へ置き換えます。
foreignObject
foreignObjectはSVG内にHTMLやCSSレイアウトを入れる機能です。これは通常のパスではなく、ブラウザーのレイアウト機能に依存します。互換処理では未対応の埋め込みHTMLが削除される場合があるため、プレビュー確認が欠かせません。
外部画像
別ドメインの画像や認証が必要な素材は、CORSや有効期限によって取得できないことがあります。取得できるリソースは可能な範囲で埋め込みますが、失敗した素材は省略される場合があります。
用途から出力方式を決める
ベクターを優先したい例:
- ロゴ、ピクトグラム、線画
- 大判出力する図形
- 印刷会社がパスを確認するデータ
- 文字をアウトライン化済みの原稿
見た目を優先したい例:
- 日本語を含む図表
- Webフォントや影が重要な一枚もの
- クライアント確認用の校正PDF
- 文字の検索を必要としない配布資料
日本語ラベル付きのチャートは、欠字のあるベクターPDFよりも、正しく読める画像PDFの方が実用的です。一方、アウトライン化したロゴはベクターの利点を活かせます。
変換前に行う整理
重要な文字だけアウトライン化する
ロゴ、見出し、短いラベルはデザインツールでパスへ変換すると、フォント環境に左右されません。ただし修正や検索ができなくなるため、編集可能な元データを別に残します。
必須画像をファイル内に含める
外部URLを参照する<image>は納品時に消える可能性があります。必要な画像はdata URLとして埋め込むか、デザインツール側でパッケージ化します。ビットマップを埋め込んでもベクター画像になるわけではありません。
ページと座標を明示する
<svg width="210mm" height="297mm"
viewBox="0 0 210 297"
xmlns="http://www.w3.org/2000/svg">widthとheightはページ寸法、viewBoxは内部座標と表示範囲を示します。両者が曖昧だと、余白や拡大率が想定と異なることがあります。
PDFを確認する方法
- PDFビューアーで800%程度まで拡大する。
- 斜線、曲線、細い線、小さな文字を見る。
- 文字を一文字ずつ選択できるか確認する。
- 可能ならIllustratorやプリフライト機能で、全面画像になっていないか調べる。
- 最終サイズでテスト印刷する。
画像PDFでも、必要なDPIが確保されていれば通常の資料や校正には十分です。問題になるのは、画像PDFを「無制限に拡大できるベクター」として扱うことです。
印刷入稿では追加確認が必要
SVG2IMGが作成するのは一般的なPDFです。印刷会社からPDF/X、CMYK、特色、塗り足し、トンボ、ICCプロファイルなどを指定された場合は、専門のレイアウトソフトで仕上げてください。
SVG PDF 変換ツールで出力方式とプレビューを確認し、画面用途だけであればSVG PNG 変換も比較すると、受け渡し先に合う形式を選びやすくなります。